フィクションの試みーある底流の物語ー

ある底流の物語

 

昔、イギリスで結婚していた時。

若いうちに両親を失くし、父親代わりのドクターの元で助手をしていた時、食品会社の営業をしていた彼が訪ねてきた。私が研究していたハーブを使った食品(今でいうサプリメント)に興味と理解を示し、彼の持つ販路を活かして流通に携わってくれることになる。ハーブの素晴らしさに彼も惹き込まれていき、ハーブを世に広めたいとの熱意を共有するうち、公私ともにパートナーとなった。
彼は食品会社を辞めて専門の会社を立ち上げ、私も事業を手伝った。忙しくも、使命に燃える充実した日々。娘と息子を授かったが、あまり構ってあげられなかった。娘は淡々と現実を受け入れて成長したが、息子は寂しさを募らせた。アメリカに渡ったりして忙しく、帰ればいつも母を独占している父に、複雑な思いを抱いていたようだ。晩年の私に最後まで寄り添ってくれたのは、息子だった。

事業が軌道に乗って拡大するうち、私と彼はビジネスパートナーのような関係になり、いつしか温かみのある接点がなくなっていた。彼はアメリカで新しいパートナーを得たのかもしれない。私は後半生、本分だったハーブ研究に回帰し、研究と後継者育成に携わる日々を送る。

使命は大切だけれど、使命だけを追い続けると枯れてしまう。使命の源は喜びでなければいけない、たぶん。

だから今回は、再び出会えたこと、そして同じ使命を生きられること、そのこと自体を味わう喜びの中で、生きていきたいのだと思った。
「あー、失敗しちゃったね。」「ねー!次はうまくいくかな。」

失敗すらも愛おしい、喜びに満ちたプロセスを味わいたいのだと。

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