kyricoは語る

 

同じ星の仲間に、出会いたい。
同じ星系から来た仲間には、何人か出会ったけれど、同じ星から来た仲間にはまだ、出会ったことがない。
このところ毎晩、探索の夢にでている。

昨夜は久しぶりに老師と再会した。明るく日の射す講義室で、老師は手作りの資料を嬉しそうに並べていた。
「今回のは、三つ折りなんだよ」と。どうやら地震に関するものだ。
(どうしたらこんなにも、手作り感満載に作れるのか)と首を傾げるほど不器用な、でも、温もりを感じる資料。
やっと老師と会えた喜びに全身浸りながら、机の上に寝そべって、テキストを捲っている場面で目が覚めた。

吉兆だ。

もう少し。もう少しだと、胸の感覚が告げている。
僕が目印にするのは、目が醒めるような、それでいて深い青。すごく懐かしいのに、滅多に出会えない青。
青の香りに、いつも僕は惹きつけられる。
故郷の星の近くから来た仲間は、すぐにわかる。
場がたちまち澄み渡って、星の気配に満ちるからだ。

ノイズや雑念がすっと鎮もり、最小限の言葉がひろいスペースにぽん、と置かれる。無言で碁石を置き合うように、言葉を置き合ううち、「場」がひらき、言葉も要らなくなる。

そして僕らは、星の声を聴く。
静謐で深遠で、でも限りなく自由な声を。

もし君が僕の探し求める仲間だったら、来て欲しい。
午前4時37分、銀河座標の、あの場所で待っているよ。

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